プロジェクト・ヘイル・メアリーの感想です 原作の
映画見に行ってから書こうかなと思っていたんですが、比較の話になっちゃいそうでそれはちょっと純粋な感想にならない気がして、今の内につらつらと書いておこうと……
終始登場人物たちがずっと諦めずに出来ることを全部やって善い方向へ進める様に動き続けている けどグレースの語り口がそれをこっちに重たく受け止めさせなくてとても読みやすい!自分を鼓舞し続けているのかもしれませんが、本当にずっとグレースの心根に救われ続けている
でもそのお陰でとてもあたたかい質感のSF小説だと感じた
全編通して、リアルとファンタジーの加減が絶妙で、科学的な裏付けしたり矛盾を潰していってリアルさは保ちつつ、希望はちゃんと見せて絶望一辺倒展開が長く続かなくて、読者に対して過度のストレスを感じさせない優しさを感じる作品なので本当に読みやすい
プロジェクト・ヘイル・メアリーの話するとやっぱりグレースとロッキーの話になっちゃうんですが、そこに行きつくまでの展開も面白い!!
グレースが何者かを探っていくヒントが、グレース本人だけじゃなく読者にも分かりやすく印象として開示されていくのが凄く良かったな
あと記憶復元過去パートが本当にやれること全部やるファンタジーでそこも面白かった
ストラットの存在もかなりファンタジーだと思う
前半のミステリーな展開、広大な宇宙で孤独になったグレースとあまりにも大きなミッションの絶望感に、同じ目的を持った可愛くて聡明で勇敢なエイリアンのロッキーが現れた時、こっちまで本当に幸せ!幸せ!幸せ!って感じで……
お互いのファーストコンタクトから絶対相手を思いやれる生命体だって分かるのが凄く嬉しくて何てあったかいSF小説なんだ
ロッキー可愛すぎる!!
文章でずっと可愛かったのに、動いて喋るロッキーはもう絶対可愛いもんな
誰かに見守ってもらいながら眠る生物なのに長い間ひとりぼっちで、やっと出会えたグレースが近くに寝る場所作ってくれるエイリアンなの本当に奇跡
逆にとってもそうだって話なんですが、お互い本当に光過ぎて、二人が立てた仮説が失敗してもすぐ二人で鼓舞し合って修正してチャレンジし続けていく姿が超眩しかった
バディモノの良い所がもう全部詰まっている
これ系のお話って最後にお別れするのが定石に感じるのですが、そんなことある!?って展開で二人がずっとバディのまま終わったのも本当に嬉しかった!
良いバディモノ勧める時自信もってこの作品勧めたいけどネタバレで苦しむ気持ち本当によくわかる
でも個人的にはこんなドン詰まりの死出の旅どうしたらいいんだ……って時にロッキーが現れた時の喜びの体験を味わってほしい!ってのはある……
グレースが、ロッキーがヘイル・メアリー号に来る前片付ける描写を友人や彼女が来る前の描写に例えるの好きすぎる
あと、確かグレースがロッキーの言語を理解する自主練を日課にしていた描写がサラッと挟まったのが凄く好きで
ここを大きなこととして扱わないのが、コミュニケーションの究極形だなと感じた
言語や文化が違う相手とのコミュニケーションって言語の壁をどう克服するかに重きを置かれる気がしているんですが、ロッキーの言葉を記録するスプレッドシートを作成していった手順や手法はともかく、自分がそれを地道に覚えるだけのことは大きく扱う問題ではなく当然のことだったのが、グレースらしくてとても良かった
ここに限らず、作中での文の取捨選択や言及の仕方に科学者らしい取捨選択を感じるのかも かなり無駄を省いているというか(そしてそれでテンポが良く感じる)
なのに全くデータや報告書を見た感じが無いのはグレースの人柄なのだと思う
全編通してグレースの人柄じゃなかったら読めない!ってくらいグレースの人柄にこっちまで救われる小説かもしれない
そして地球も救われました!
ストラットの何でもやる要素と神頼みっぷりはかなりグレースの気質込みだなと思ったら最後の最後マジでそうだったのが最悪で申し訳ないけど笑ってしまった ヘイル・メアリーっていうかグレースで何とかなれーッくらいの無茶ぶり
ただ、作中でグレースはストラットとデキてるんじゃないかと思われていた通り、ストラットはグレース手元に置いておきたくて長期昏睡耐性遺伝子知っていてもギリギリまで言わなかったのかと思って途中まで読んでいたんだけど、あの感じだと超土壇場なら何とかしてくれるもしもの予備として伏せてたのかな?いや流石に前者だと思いたいというかストラットも人間だしなあくらいにしか思わないのでそれでいいと思うんだけども……
ストラット側からは何だかんだ頼れるバディとして思われていた的な(グレース側は皆無)
でもグレースが教職に進んだことを、自分を肯定してくれる子供に逃げたっていう風に言ったことだけは、それが突き放す為の嘘だとしてもふざけるなよと
元々この計画に関わったきっかけも、ロッキーを始め色々な人に科学を分かりやすく教えられたのも、グレースが中学校教師だからだと思うので計画が成功した大きな要因で
最後、グレースがエリドでも子エリディアン達に科学を教える仕事をしている日常で終わるのがストラットへの最高の「くたばれ、ストラット」だと思う
しかし私の一般人頭で想像すると、ストラットの言う通りあの後地球で戦争起きていた場合、アストロファージはまず真っ先に兵器転用されて、奪い合いが起きて、最悪宇宙ですら戦いが起きたろうなと思ってしまうんだけども……
でもそこ言及無かったのは意図的にそんな未来を描かなかった願いみたいなものも感じます
というかこの地球では起きなかったのかもしれない もしこの最悪ケースになっていたらもうビートルズからの情報もどうにもできなくなっていた可能性がある
絶対アストロファージを滅ぼすことでひと悶着あるだろうし、そしてタウメーバの存在すらかなり危うく……
それストラットが何とか阻止したのだったら熱い そうであってほしいな
これは全部願望の話です